2025.12.26FRI外壁・屋根リフォーム
ドローン屋根点検とは?発見できる不具合と点検のベストタイミング
無垢スタイルのリフォーム部門の菊地です。
近年、住宅の屋根点検にドローンを活用するケースが急増しています。
屋根は建物の中でも特に劣化に気づきにくい部分であり、不具合を放置すると雨漏り・構造材の腐食・修繕費の増大につながります。
この記事では、「ドローン屋根点検で具体的にどのような不具合が発見できるのか」を、分かりやすく解説します。
ドローン屋根点検で見つかる主な不具合
ドローン点検の最大の特徴は、屋根全体を上空から多角的に確認できることです。以下は、実際にドローン屋根点検で多く発見される代表的な不具合です。
①屋根材の割れ・欠落・浮き
スレート屋根・瓦屋根・金属屋根など、屋根材は常に紫外線・雨風・寒暖差にさらされており、年数の経過とともに確実に劣化していきます。特に以下のような要因で、屋根材の破損が発生しやすくなります。
- ・経年劣化による素材の脆化
- ・台風や突風による負荷
- ・雹(ひょう)や飛来物の衝突
- ・地震による微細なズレ
一見すると問題がなさそうな屋根でも、拡大してみると細かな破損が見つかるケースは少なくありません。
②棟板金(むねばんきん)の浮き・釘抜け・変形
棟板金は、屋根の頂部に設置されている金属部材で、屋根材同士の隙間を覆い、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。一方で、屋根の中でも特に風圧を受けやすく、劣化や破損が起こりやすい部位です。 よく見られる不具合としては、
- ・固定釘の浮き・抜け
- ・板金の反り・めくれ
- ・強風による変形やズレ
これらは初期段階では非常に分かりづらく、地上からの目視ではほとんど確認できません。
しかしドローン点検なら、棟部分を真上や斜め方向から撮影できるため、浮きやズレの状態を正確に把握できます。 棟板金の不具合を放置すると、強風時に板金が飛散し、屋根全体の破損・近隣住宅への二次被害につながる危険性もあります。
そのため、定期的なドローン点検による確認が非常に有効です。
③ 漆喰(しっくい)の崩れ・剥離【瓦屋根】
瓦屋根の棟部分には、瓦同士を固定し、内部への雨水侵入を防ぐために漆喰が使用されています。この漆喰は、年月とともに以下の影響を受けて劣化します。
- ・紫外線による硬化・ひび割れ
- ・雨風による流出
- ・寒暖差による収縮
特に棟部分は高さがあり、地上から状態を確認するのが難しいため、ドローン点検の有効性が非常に高い箇所です。
早期に劣化を発見できれば、漆喰補修のみで対応できる場合も多く、大掛かりな工事を避けられます。
④ コケ・カビ・汚れ・色あせ
屋根表面にコケやカビ、黒ずみ汚れが目立ってきた場合、それは単なる見た目の問題ではありません。多くの場合、屋根材の防水性能が低下しているサインです。
特に以下のような状態は注意が必要です。
- ・北側や日陰部分だけコケが集中している
- ・色あせが進み、塗膜が薄くなっている
- ・水はけが悪く、常に湿った状態になっている
見た目の変化は、屋根が発している「メンテナンス時期のサイン」とも言えます。
⑤ 雨樋(あまどい)の破損・詰まり・傾き
雨樋は、屋根に降った雨水を適切に排水し、外壁や基礎を守る重要な設備です。しかし、以下のようなトラブルが起こりやすい部分でもあります。
- ・落ち葉やゴミの詰まり
- ・経年劣化による割れ・外れ
- ・勾配不良による水溜まり
ドローン点検では、横方向や下からのアングルで撮影できるため、地上からでは確認できない雨樋の傾きや破損状態まで明確に把握できます。
ドローン屋根点検のおすすめタイミング
屋根は、日常生活の中で状態を直接確認する機会がほとんどありません。そのため、不具合が発生していても気づかないまま放置され、雨漏りなどの深刻なトラブルが起きてから初めて異常に気づくケースが非常に多いのが実情です。
ドローン屋根点検は、そうした「見えない劣化」を把握するために、以下のようなタイミングで実施することをおすすめします。
築10年以上が経過した住宅
一般的に、屋根材や板金、防水部材は築10年前後から劣化が表面化し始めると言われています。 見た目に大きな異常がなくても、『屋根材の微細なひび割れ』『棟板金の釘浮き』『防水性能の低下』などが静かに進行している可能性があります。ドローン点検で一度現状を把握しておくことで、「今すぐ修理が必要なのか」「数年後のメンテナンスで良いのか」といった適切な判断材料を得ることができます。
台風・強風・雹(ひょう)など自然災害のあと
台風や突風、雹などの自然災害は、屋根に大きなダメージを与える可能性があります。特に多いのが、『強風による棟板金の浮き・ズレ』『雹によるスレート屋根の割れ』『飛来物による屋根材の欠損』といった被害です。
これらは地上からでは確認できないことがほとんどですが、放置すると雨漏りに直結します。
災害後にドローン点検を行うことで、被害の有無を早期に確認し、必要に応じて火災保険申請の判断材料にもなります。
屋根塗装・外壁塗装工事の計画前
屋根塗装や外壁塗装は、決して安い工事ではありません。 工事前にドローン屋根点検を行うことで、- ・塗装で対応できる状態か
- ・補修や交換が必要な箇所があるか
- ・塗装前に直すべき下地不良はないか
状態を把握しないまま塗装工事を行うと、「塗った直後に雨漏りが発覚した」「結局やり直しが必要になった」というケースも少なくありません。
無駄な工事を防ぐためにも、事前点検は非常に重要です。
中古住宅の購入前・売却前
中古住宅の場合、屋根の状態は建物の価値や将来の修繕費に大きく影響します。購入前にドローン点検を行うことで、『見えない不具合の有無』『近い将来に必要となるメンテナンス内容』『想定される修繕コスト』を把握できます。
売却前であれば、屋根の状態を客観的な写真や映像で提示できるため、買主への安心材料にもなります。
ドローン屋根点検で住まいを長持ちさせるために
屋根は、住まいを雨や風、紫外線から守る最も重要な部分の一つです。しかし同時に、普段の生活では状態が見えず、劣化に気づきにくい場所でもあります。
ドローン屋根点検は、
- ・屋根に登らず安全に確認できる
- ・高解像度の写真・動画で状態を可視化できる
- ・小さな劣化や初期不具合を早期に発見できる
屋根の不具合は、「まだ大丈夫だろう」と思っている間に進行し、気づいた時には大規模修繕が必要になることも少なくありません。
定期的なドローン点検を行い、必要なタイミングで、必要なメンテナンスだけを行うことが、住まいを長持ちさせ、結果的にコストを抑える最善の方法です。
屋根の状態が気になる方、築年数が経過している方、自然災害後の確認をしたい方は、一度ドローン屋根点検を検討してみてはいかがでしょうか。
ドローン屋根点検のご相談は、無垢スタイルのリノベリフォームまでお気軽にお問い合わせください。