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中古マンションを買ってリノベーション

中古マンションリノベーションで失敗しないための注意点と成功法を大公開!

最近、耳にすることが多くなった中古マンションのリノベーション。新しい住まいをカタチにするうえで、有効な手段の一つといえます。
その一方で、どんなことに気を付けたらいいのか、とても気になるのではないでしょうか。

今回は、そんな中古マンション・リノベーションを検討されている方に向けて、チェックポイントや注意点、成功のコツをお伝えします。
さらに最後に、埼玉におけるマンション・リノベーションの事例をご紹介します。
失敗しないリノベーションをするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

中古マンション・リノベーションはこんな人におすすめ!

あまりムリをせずに費用を抑えたい

費用を抑えたいものの、あまり過度なコスト削減をすると、プランがどんどん色あせてしまいます。
中古マンションを購入してリノベーションであれば、新築マンションよりもコストを抑えることも可能です。
特に購入費用に関しては、築年数が20年くらい経った物件なら、大きく取得価額が下落するため安く購入することも不可能ではありません。

上のグラフは、過去10年における首都圏の「新築マンションと中古マンションの価格推移」を表しています。新築マンションも中古マンションも価格は上昇し続けていますが、近年の新築マンションの平均価格は6,000万円を超え、新築マンションと中古マンションの価格差は大きく広がっています。
半額とまではいきませんが、中古マンションは新築マンションに比べ概ね3000万円近く安く取得することができる状況です。

さらに中古マンションは、リノベーションする際、内装材や設備などお金をかけるところと抑えるところに分けてメリハリをつけることで、さらなるコストダウンを図ることもできます。
つまり工夫次第で、住まいの夢を叶えることができるのです。それがリノベーションの魅力といえるでしょう。

住みたいエリアで夢を実現したい

中古マンションであれば、新築マンションと比べて、幅広いエリアから探すことが可能です。例えば、駅近で交通アクセスの良い立地、商業施設やスーパーなどが周辺にある立地、公園など住みよい環境が整った立地など、ご希望の立地条件から選べるメリットがあります。

上のグラフは2021年の首都圏のマンションにおける「新築と中古それぞれの登録物件数の差」を表しています。物件数の差は、中古は新築の約4.8倍にも上ります。

ライフスタイルに合った間取りにしたい

新築マンションを購入する場合、間取りが決まっているため、それに合わせた暮らし方をすることになります。
中古マンションをリノベーションする場合、管理規約などをクリアすれば、家族の人数分の個室を設けたり、趣味・趣向に合わせた内装や建具に変えることが可能です。家族構成やライフスタイルに合わせたプランがカタチにできます

将来のために、売却や賃貸も視野に入れたい

新築マンションと中古マンションでは大きな価格差があることを前述しました。理由としては、新築が中古になった途端、資産価値がガクンと下落するからです。
一方、ある程度築年数の経った中古マンションであれば、購入後の資産価値下落率は緩やかなので、資産価値を維持しやすいと言えます。

さらに、中古マンションはリノベーションすることで、資産価値を高めることができます。
もし、駅近エリアで購入したときには、ニーズが多いこともあり、売りやすくなります。また売却しなくても、賃貸マンションとして打ち出すことも可能です。

将来を見越して、人気の駅近で中古マンションを購入しリノベーションする。まさに転勤の多い方にとって、とても有効な選択肢になるといえるでしょう。

中古マンション・リノベーションの3つの事例

次にご紹介するのは、具体的に住まいの夢を叶えた事例です。ご家族のぶんだけ、独自の改修ができるのは、リノベーションならではの大きな魅力といえるでしょう。

中古マンションを買ってリノベーション

中古マンションを買ってリノベーション01
中古マンションを買ってリノベーション02
中古マンションを買ってリノベーション03

築15年の「中古を買ってリノベーション」の施工事例です。マンション特有の窮屈さをなくし、ご夫婦+犬1匹で快適に過ごせる空間を実現。テレワークの時間が増え、仕事スペースでの時間が増えたため、空間の価値がとても高まっています。コロナ禍での生活スタイルに寄り添ったリノベーションです。

北欧風リノベーション

北欧風リノベーション01
北欧風リノベーション02
北欧風リノベーション03

築24年の「マンション・リノベーション」の施工事例です。家族構成の変化や、子育てがひと段落したことで、新築で購入をしたマンションを好きなテイストにリノベーション。「カフェ風にしたい」というご要望に合わせて、ナチュラルシャビーな雰囲気に仕上げています。

アンティーク調リノベーション

アンティーク調リノベーション01
アンティーク調リノベーション02
アンティーク調リノベーション03

間取りなどはほぼ現状維持し、居室の雰囲気をそっくり入れ替えてしまう全面リノベーションした事例です。全体的にホワイトを基調とし、その中にノスタルジックを感じる柔らかさを取り入れた、「フレンチアンティーク調」をテーマとしました。キッチンの取手からドアの窓、壁や開口部の丸みなど細部に至るまで徹底してこだわったマンション・リノベーションです。

中古マンション・リノベーションの6つ注意点!

リノベーションを検討するにあたり、気を付けるべき点がいくつもあります。ここでは主なチェックポイントをご紹介します。

どんな構造になっているか

マンションの構造には、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2タイプに分かれます。この構造によっては、これから計画しているリノベーションに大きく影響しますので、必ず確認しましょう。

壁を取り払って間取りを大きく変更をしたいのなら、ラーメン構造が適しています。壁式構造では、構造の一部である壁には手を付けることができません。間取りはそのままで、空間のイメージを変える部分的なリノベーションとなります。

マンションの構造 構造の説明
ラーメン構造 垂直方向に建つ「柱」と、柱をつないで水平方向にかけられる「梁」で構成された構造です。通常の建物であれば、筋交いなどで建物の強度や耐震性を確保するのですが、ラーメン構造では「柱」と「梁」のフレームだけで構造を支えます。
壁式構造 柱と梁の代わりに「壁」でマンションを支える構造のことです。室内には柱と梁などの出っ張りがなく、すっきりとした空間となるのが特徴です。

耐震性能はどうなっているのか

中古マンションを購入する場合、新耐震基準に適合したものを選ぶことで、暮らしの安心・安全を確保できます。

この新耐震基準では、1981年に大幅に改正され、住宅やマンションなどの建物が震度6強、7程度の大規模地震でも倒壊しないように規定されています。
ただし、旧耐震基準でも耐震改修・耐震補強をおこなっているマンションもあるので、いずれにしろ物件の耐震性能は確認しておきましょう。

なお、旧耐震基準の物件では、住宅ローン減税をはじめとする税額の優遇制度や補助金制度が利用できない可能性がありますので、ご注意ください。

築年数がどれくらいか

中古マンションをリノベーションするなら、どれくらいの築年数なのかがポイントになります。

上のグラフは、「物件の築年数ごとの中古マンションと中古戸建の成約価格」を表しています。中古マンションは、築21年を過ぎるタイミングで大きく成約価格が下落していることがわかります。

古いマンションであれば購入費用が安くなりますが、老朽化が進んでいるため修繕費がかさみます。その一方で築年数が浅い中古マンションであれば、余分な修繕費が必要ありませんが、購入費用が高額になりがちです。

特に注意しなければいけない点は、壁内に結露が起こり、カビだらけになっている可能性があることです。これは築年数に応じて断熱材の工法が異なり、施工方法や施工ミスによる断熱欠損が原因です。

そうしたとき築20年程度であれば、老朽化などのリスクが少なく、ある程度安く購入することができます
主な理由としては、新築マンションは年数が経つと価格が下がり、築20年くらいの段階で価格の下落は安定するからです。

どのような管理規約になっているのか

マンションによっては、管理規約でリノベーションが制限されているケースがあります。
例えば間取りの大幅な変更がダメだったり、水回りの移動が不可だったり、フローリングの設置不可(床材はカーペットのみ)などがあります。
管理規約に制限があると、室内イメージの変更や設備の取り替え程度のリノベーションとなります。
リノベーションプランに影響するので、事前に確認しておきましょう。

修繕計画・積立金はどうなっているのか

マンションの完成後は品質を維持するためにも、建物状況に合わせて定期的なメンテナンスが必要になります。そこでポイントなのが、どのような修繕計画が行われているかです。

しっかりとした修繕計画に基づいたメンテナンスが行われていれば、資産価値のある「確かな品質」のマンションと言えるでしょう。

なお、修繕の履歴や計画、積立金の積立状況は、「重要事項説明書」で事前に確認ができます。管理状況をチェックすることで、安心してリノベーションに取り組めます。

共有部の維持管理はどうなっているのか

マンションで注意したいのが、ゴミ捨て場や自転車置き場、掲示板などの共有部分がどのように管理されているかです。
もし、住んでから管理状況が良くないことがわかっても、どうにも対処しようがなくなります。
そこで中古マンションを内覧するときは、必ず共用部分の管理状況も確認すること。気持ちよく暮らすためにも、管理が行き届いている物件を選びたいものです。

中古マンション・リノベーションのデメリットは?

チェックポイントを押さえる以外にも、リノベーションを進めるにあたって知っておきたいことを列記しました。失敗しないためにも、しっかりと理解したうえで、リノベーション計画を進めましょう。

リノベーションできるのは、専有部分のみ

マンションでは、手が加えられる専有部分と、変更ができない共用部分に分かれます。
間取りや内装、建具などの専有部分であれば、自由にリノベーションをすることが可能です。
その一方で、建物の構造部(柱・梁・スラブなど)、建物の外観にかかわる部分(窓サッシ・バルコニーなど)といった共用部分は、撤去や取り替えることはできません
ちなみに玄関ドアは、取替え・外側の色の変更などはできません。ただし、内側であれば塗装を変えることもできるケースもあります。

場合によっては、手間がかかってしまう

中古マンションをリノベーションする場合、物件探しから資金計画・ローンの相談、リノベーションの設計や施工まで、それぞれの窓口と話をするのが一般的です。
当然のことながら、打ち合わせや調整など、何かと手間がかかります。
そこで一つの選択肢として、不動産部門のあるリノベーション会社を検討されることをおすすめします。
中古マンションの検討段階から、物件探しや資金計画、リノベーションの見積もり、設計、工事までが一社で完結できるので、かなりの手間が省けます。

別々のローンだと手間・費用がかかってしまうことも

中古マンションを購入してのリノベーションでは、物件購入のためのローンと、リノベーション費用に関わるローンが必要になります。もし、分けてローンを組むと、それぞれの金利だけでなく、申請の手間や諸費用がかかります。

そこでおすすめなのが、購入資金とリノベーション資金をまとめて借り入れができる一体型のローンです。別々にローンを組むよりも、金利負担や月々の返済負担を抑えられる可能性が高くなります。

ただし、一体型ローンの利用にあたっては、物件探しと合わせてリノベーションプラン(資金計画も含む)を検討しておかなければなりません。一体型ローンを組みたいと思うなら、ワンストップで請け負えるリノベーション会社を選ぶことも大切だと知っておきましょう。

リノベ済み物件と比べてみる

中古マンション・リノベーションには、すでに改修されている「リノベ済み物件」と、未改修の中古マンションを自分の好みで改修する「オーダーリノベ」の2パターンがあります。

リノベ済み物件は費用が明確で、室内を確認してから購入できるので安心です。その一方で完成品のため、空間に合わせた住み方をすることになります。
また、この手のリノベーションは安く済ませようとする傾向が強く、入居後に「こんなはずじゃなかった」とのトラブル例をよく耳にします。

未改修の中古マンションをリノベーションする場合、プロとともにイチから手掛けることになります。自分好みの住空間に仕上げることができるので、高い満足度を得られやすいといえます。

それぞれ一長一短があるので特性を知り、さまざまな角度で検討すること。そのうえでご自分がカタチにしたいスタイルのリノベーションを選ぶことがポイントになります。

中古マンション・リノベーションを失敗しないためのコツは?

最後にご紹介するのは、リノベーションを失敗しないための2つのコツです。

優先順位を決めておく

自由なプランができるとはいえ、すべてを叶えると予算オーバーになりかねません。
「実現したいこと」を列記したうえで、優先順位を決めておくことをおすすめします。そうすることで物件選びをするうえでの目安になるだけでなく、予算を立てるときやプランニングにも役立ちます。

希望項目をあげるときは「100%譲れないこと」「可能なら取り入れたいこと」「あればいいと思うこと」に分けると、判断がしやすくなります。
なお、希望項目の列記は遅くともプランニングに入る前までに行い、ご家族の中で話し合うことが大切です。

実績のある施工会社を選ぶ

リノベーションを成功させるためには、施工会社のサポートが必要不可欠です。
そこで施工会社を選ぶなら、物件探しからトータルでサポートしてくれる施工会社であることが重要になります。

営業スタッフをはじめ、熟練したプロのリフォームアドバイザーやインテリアコーディネーター、社内建築家が在籍し、トータルで取り組む体制が整っていること。さらに注文住宅などの実績が豊富な会社であれば、優れた建築士が在籍している可能性が高く、普通のリフォーム会社ではできない素敵なリノベーションを提案してくれるはずです。

まとめ

中古マンション・リノベーションには、さまざまなメリットがあります。ただし、上記でお伝えしたようにポイントを押さえないことには、すべてを手にすることが難しくなります。
また、新築マンションと違い、中古物件であることから物件選びやプラン、施工のすべてに気を付けるべき点も多くなりがちです。

ご自身で知識を蓄えて、大よそのイメージをつかむこと。そのうえで信頼できるプロとともに進めることが成功への近道となることでしょう。

【監修スタッフ】

無垢スタイルのリノベリフォーム 吉田賢太郎

耐震技術認定者 / 宅地建物取引士 / 外壁診断士

一戸建て、マンション、店舗などリノベーション専門の建築家とコンサルタントと一緒にデザインとコストを意識しながら理想の暮らしを実現していきます。また、中古住宅を購入してリノベーションでは、中古住宅探しからお手伝いをさせていただきます。このスタッフのブログを見る

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